「愛犬の体重が増えてきた」「獣医師にダイエットを勧められた」――犬の肥満は関節への負担増加、心臓病リスクの上昇、寿命の短縮など深刻な健康問題を引き起こします。特にラブラドール・レトリーバー、コーギー、ダックスフンドなど食欲旺盛な犬種は肥満になりやすい傾向があり、フードの見直しが必要になるケースは少なくありません。
しかし、普通のフードの量を減らすだけでは、必要な栄養素まで不足してしまい筋肉量の低下や栄養不良を招く危険があります。愛犬の健康的なダイエットには、低カロリーでありながら必要な栄養素をしっかり含んだダイエット専用フードへの切り替えが効果的です。この記事では、愛犬の肥満度チェックからダイエットフードの選び方、おすすめ7選の比較まで詳しく解説します。
この記事でわかること
・愛犬の肥満度を正確にチェックするBCS(ボディコンディションスコア)
・ダイエット用フード選びの5つのポイント
・おすすめダイエット用フード7選の栄養比較
・無理のない減量計画の立て方
・ダイエット中のよくある疑問への回答
犬の肥満度チェック|BCS(ボディコンディションスコア)で確認

ダイエットを始める前に、まずは愛犬が本当に肥満なのかを正確に把握しましょう。犬の肥満度は体重だけでなく、体型や触診による判定が重要です。以下のBCS(ボディコンディションスコア)5段階評価で、愛犬の状態を確認してみてください。
| BCS | 体型の特徴 | 判定 |
|---|---|---|
| 1 | 肋骨や背骨が浮き出ている、腰のくびれが極端 | 痩せすぎ |
| 2 | 肋骨が容易に触れる、上から見て腰のくびれが明確 | やや痩せ気味 |
| 3 | 適度な脂肪で肋骨が触れる、腰のくびれが適度 | 理想体重 |
| 4 | 脂肪に覆われ肋骨がやや触りにくい、腰のくびれが不明確 | やや肥満 |
| 5 | 厚い脂肪で肋骨が触れない、腰のくびれが見えない | 肥満 |
BCS4以上の場合は減量の検討が必要です。ただし、シニア犬は筋肉量の低下による体型変化もあるため、自己判断だけでなく獣医師に相談して方針を決めることをおすすめします。BCS3が理想体型で、肋骨が軽く触れる程度が目安です。
ダイエット用フードの選び方|5つのチェックポイント

効果的なダイエットフードを選ぶには、単に「低カロリー」だけでなく、栄養バランスや愛犬の年齢・活動量に合った選択が必要です。以下の5つのポイントを基準にすれば、愛犬に合ったフードを見つけやすくなります。
100gあたり250~320kcalのカロリー密度
チェックポイント
一般的なドライフードは100gあたり350~400kcalですが、ダイエット用フードは100gあたり250~320kcal程度に抑えられています。カロリー密度が低いぶん、量を減らさずに摂取カロリーだけ減らせるため、愛犬の満腹感を維持しながらダイエットを進められます。フードのパッケージにある「代謝エネルギー」欄で確認してください。
タンパク質25%以上で筋肉量を維持する
チェックポイント
ダイエット中に筋肉量が落ちると基礎代謝が低下し、リバウンドしやすい体質になります。タンパク質25%以上、脂質8~12%程度の高タンパク・低脂質設計のフードを選びましょう。特にシニア犬は筋肉量が低下しやすいため、タンパク質の確保が重要です。
食物繊維5~8%で満腹感をキープ
チェックポイント
食物繊維は少ないカロリーで満腹感を得られるだけでなく、腸内環境の健康維持にも役立ちます。粗繊維5~8%程度を含むフードが理想的です。ただし繊維質が多すぎると消化不良の原因になるため、切り替え時は1週間程度かけて徐々に新フードの割合を増やしてください。
L-カルニチン配合で脂肪の代謝をサポート
チェックポイント
L-カルニチンは脂肪をエネルギーに変換する際に必要なアミノ酸で、多くのダイエット用フードに配合されています。L-カルニチン配合のフードを選ぶことで、脂肪の代謝効率を高めるサポートが期待できます。
着色料・香料不使用の安全なフードを選ぶ
チェックポイント
ダイエット期間中は体への負担を最小限に抑えることが重要です。着色料・人工香料・人工保存料不使用のフードを選びましょう。自然由来の保存料(ビタミンEやローズマリー抽出物など)を使用しているフードが安心です。アレルギーがある犬は、原材料欄をしっかり確認してください。
ダイエット用フード比較一覧表

| 商品名 | カロリー(100g) | タンパク質 | 脂質 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ペロリコ ライト | 326.9kcal | 22.5%以上 | 8%以上 | 低脂質・着色料香料不使用 |
| モグワン | 361.5kcal | 27%以上 | 10%以上 | 動物性原材料56%・適正カロリー |
| アランズナチュラル | 342kcal | 19.25%以上 | 11%以上 | 自然素材9種のみ |
| このこのごはん | 343kcal | 21.3%以上 | 7.6%以上 | 低脂質・国産 |
| ヒルズ r/d | 265kcal | 28.9%以上 | 8.7%以上 | 獣医師推奨の減量用療法食 |
| ロイヤルカナン 満腹感サポート | 275kcal | 30%以上 | 9.5%以上 | 満腹感維持に特化 |
| オリジン フィット&トリム | 298kcal | 42%以上 | 13%以上 | 85%肉類原料・超高タンパク |
おすすめダイエット用フード7選

ペロリコドッグフード ライト
ペロリコ ライトはダイエットが必要な犬のために開発された低カロリー・低脂質設計のフードです。カロリーは326.9kcal/100g、脂質は8%以上と一般的なフードより大幅にカロリー・脂質を抑えながら、タンパク質22.5%以上を確保しています。着色料・香料不使用、グレインフリー設計で、FEDIAF基準クリア工場で生産されています。
チキンとダックを主原料に使用し、食いつきの良さを維持しながらカロリーコントロールが可能です。食物繊維も豊富に含まれており、満腹感を長時間キープできます。一般的な療法食とは異なり、獣医師の処方なしで購入できるため、「まだ療法食は必要ないけど体重管理を始めたい」という飼い主さんに最適です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主原料 | チキン、ダック |
| タンパク質 | 22.5%以上 |
| 脂質 | 8%以上 |
| カロリー | 326.9kcal/100g |
| 内容量 | 1.8kg |
| 原産国 | オランダ |
メリット
・低カロリー(326.9kcal)・低脂質(8%)のダイエット設計
・処方箋不要で手軽に始められる
・グレインフリー・着色料・香料不使用
・食物繊維豊富で満腹感を維持
デメリット
・通販限定で店頭購入ができない
・タンパク質がやや低め(22.5%)
・深刻な肥満には療法食の方が効果的な場合がある
モグワンドッグフード
モグワンは動物性原材料56%配合の総合栄養食で、ダイエット専用フードではありませんが、361.5kcal/100g・脂質10%以上という数値は体重管理にも適しています。「まだ肥満ではないが、これ以上太らないようにしたい」という予防段階の犬に向いています。
チキンとサーモンの2種のタンパク源で27%以上の高タンパクを実現しており、筋肉量を維持しながらの体重管理が可能です。ヒューマングレードの食材使用、着色料・香料不使用。粒サイズは約8mmのドーナツ型で、小型犬から大型犬まで対応できます。91%の獣医師が「良い製品」と評価しています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主原料 | 放し飼いチキン生肉、生サーモン |
| タンパク質 | 27%以上 |
| 脂質 | 10%以上 |
| カロリー | 361.5kcal/100g |
| 内容量 | 1.8kg |
| 原産国 | イギリス |
メリット
・高タンパク(27%以上)で筋肉量維持に適している
・動物性原材料56%で栄養価が高い
・食いつきの良さが評価されている
・着色料・香料不使用
デメリット
・ダイエット専用ではないため、深刻な肥満には不十分
・カロリー(361.5kcal)は療法食より高め
・通販限定で店頭購入ができない
アランズナチュラルドッグフード
アランズナチュラルは自然素材9種類だけで作られたシンプル設計のフードで、342kcal/100gと比較的低カロリーです。ラム肉を主原料に使用しており、余計な添加物を一切含まないため、ダイエット中の体への負担を最小限に抑えられます。
グレインフリーで着色料・香料不使用。原材料がシンプルなぶん、食物アレルギーの犬にも使いやすいフードです。脂質は11%と適度で、急激なダイエットではなく「日常的に太りにくいフード」として取り入れるのに向いています。ゆるやかな体重管理をしたい飼い主さんにおすすめです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主原料 | ラム肉 |
| タンパク質 | 19.25%以上 |
| 脂質 | 11%以上 |
| カロリー | 342kcal/100g |
| 内容量 | 2kg |
| 原産国 | イギリス |
メリット
・原材料9種のシンプル設計で体に優しい
・低カロリー(342kcal)で太りにくい
・グレインフリー・着色料・香料不使用
・アレルギーの犬にも使いやすい
デメリット
・タンパク質が19.25%と低めで筋肉量維持には注意
・本格的なダイエットにはカロリー削減が不十分
・通販限定で店頭購入ができない
このこのごはん
このこのごはんは小型犬向けの国産フードで、脂質7.6%という低脂質設計が体重管理に適しています。343kcal/100gと低カロリーで、太りやすい小型犬のダイエットサポートに向いています。鶏肉、鹿肉、まぐろの複数タンパク源を使用し、乳酸菌配合でお腹の健康もサポートします。
超小粒(約7mm)設計で小型犬に食べやすく、着色料・香料不使用。定期コースは1回で停止・休止が可能なため、合わなかった場合もリスクが低い設計です。本格的な減量というよりも「現状維持・これ以上太らない」ための日常フードとして活用するのに向いています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主原料 | 鶏肉(ささみ・レバー)、鹿肉、まぐろ |
| タンパク質 | 21.3%以上 |
| 脂質 | 7.6%以上 |
| カロリー | 343kcal/100g |
| 内容量 | 1kg |
| 原産国 | 日本 |
メリット
・低脂質(7.6%)で太りにくい設計
・超小粒で小型犬に最適
・国産原材料中心の安心感
・定期コースは1回で停止・休止可能
デメリット
・中型犬・大型犬のダイエットにはコスト高
・タンパク質が21.3%とやや低め
・ダイエット専用設計ではない
ヒルズ プリスクリプション・ダイエット r/d
ヒルズのr/dは獣医師の指導のもとで使用する本格的な減量用療法食です。265kcal/100gという圧倒的な低カロリー設計で、BCS4~5の深刻な肥満に対応します。タンパク質28.9%以上で筋肉量を維持しつつ、食物繊維を豊富に含み満腹感を長時間キープします。L-カルニチンも配合されています。
多くの動物病院で推奨されている信頼性の高い療法食で、臨床研究に基づいた確実な効果が期待できます。ただし療法食であるため、購入には獣医師への相談が推奨されます。長期給与の安全性も確認されています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主原料 | トウモロコシ、チキン |
| タンパク質 | 28.9%以上 |
| 脂質 | 8.7%以上 |
| カロリー | 265kcal/100g |
| 内容量 | 1kg、3kg、7.5kg |
| 原産国 | オランダ/チェコ |
メリット
・265kcal/100gの圧倒的低カロリー設計
・臨床研究に基づいた確かな効果
・高タンパク(28.9%)で筋肉量維持
・L-カルニチン配合
デメリット
・獣医師の指導が推奨される療法食
・穀物が主原料のためアレルギー犬には不向きな場合あり
・食いつきに個体差がある
ロイヤルカナン 満腹感サポート
ロイヤルカナンの満腹感サポートは満腹感の維持に特化した体重管理用フードです。275kcal/100gの低カロリー設計に加え、特別にブレンドされた食物繊維が胃の中で膨らむことで、少量でも満足感を得られる仕組みです。タンパク質30%以上と高く、筋肉量を維持しながらの減量が可能です。
おねだりの多い食いしん坊な犬でも食事管理がしやすく、食事後の満腹感が長時間続きます。サイズ展開が1kg・3kg・8kgと豊富で、多頭飼いの家庭にも経済的です。動物病院での取り扱いが多い信頼性の高いフードです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主原料 | 肉類、植物性繊維 |
| タンパク質 | 30%以上 |
| 脂質 | 9.5%以上 |
| カロリー | 275kcal/100g |
| 内容量 | 1kg、3kg、8kg |
| 原産国 | フランス |
メリット
・満腹感が長時間続く特殊繊維ブレンド
・高タンパク(30%以上)で筋肉維持
・おねだりの多い犬でも管理しやすい
・サイズ展開が豊富で経済的
デメリット
・切り替え初期に軟便になる場合がある
・食いつきに個体差がある
・獣医師への相談が推奨
オリジン フィット&トリム
オリジンのフィット&トリムは42%という驚異的な高タンパクを実現した最高級ダイエットフードです。原材料の85%が肉類で構成されており、犬本来の食事に最も近い栄養バランスを目指しています。298kcal/100gと低カロリーながら、圧倒的な高タンパク設計で筋肉量維持と体重管理を高いレベルで両立します。
炭水化物はわずか16%に抑えられており、血糖値の急激な上昇を防ぎます。新鮮な鶏肉、七面鳥、魚類を使用し、嗜好性も高いです。グレインフリーで人工添加物不使用。コストは高めですが、栄養面での妥協がないフードを求める飼い主さんに適しています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主原料 | 新鮮チキン肉、新鮮七面鳥肉 |
| タンパク質 | 42%以上 |
| 脂質 | 13%以上 |
| カロリー | 298kcal/100g |
| 内容量 | 340g、2kg、6kg、11.3kg |
| 原産国 | カナダ |
メリット
・42%の超高タンパクで筋肉量維持に最強
・85%が肉類原料で栄養価が非常に高い
・低炭水化物(16%)で血糖値コントロールに優秀
・グレインフリー・人工添加物不使用
デメリット
・最高価格帯で経済的負担が大きい
・超高タンパクで腎臓疾患のある犬には不向き
・切り替え時に軟便になりやすい
効果的な減量計画の立て方

ダイエットフードを選んだら、次は具体的な減量計画を立てましょう。犬のダイエットは人間と同様に、急激な体重減少は健康に悪影響を与えるため、週に体重の1~2%ずつの減量が理想的です。例えば10kgの犬なら週に100~200gの減量を目標にします。
ステップ1:目標体重を設定する
過去の健康時の体重や獣医師のアドバイスをもとに、理想体重を設定します。一般的に現在の体重から10~20%の減量が最初の目標です。目標が大きい場合は中間目標を設けて、段階的に取り組みましょう。
ステップ2:1日の必要カロリーを計算する
目標体重に必要な1日のカロリー量は「目標体重(kg)×30+70=安静時必要カロリー」で概算できます。活動量に応じて1.2~1.6倍に調整し、選んだフードの給与量を決めましょう。フードのパッケージ記載の目安量も参考にしてください。
ステップ3:運動と記録を組み合わせる
週3~4回・15~30分程度の散歩を基本に、愛犬の体力に合わせて徐々に時間を延ばします。体重測定は週1回・同じ時間に行い、記録をつけて進捗を確認しましょう。2週間体重が変わらない場合はフード量の見直しを検討してください。
よくある質問

Q. ダイエットフードはどのくらいの期間与え続ければいい?
目標体重に達するまでの期間は個体差がありますが、一般的に3~6ヶ月程度が目安です。目標達成後は体重維持用フードに徐々に切り替えていきましょう。急にフードを変えるとリバウンドの原因になるため、獣医師と相談しながら移行プランを立てることをおすすめします。
Q. 普通のフードの量を減らすのとダイエットフードはどちらが効果的?
ダイエット用フードの使用がより効果的です。普通のフードの量を減らすだけでは、必要な栄養素も同時に不足してしまい、筋肉量の低下や栄養不良を引き起こす可能性があります。ダイエットフードは低カロリーでありながら必要な栄養素を含んでいるため、健康的な減量が可能です。
Q. ダイエット中におやつは与えてもいい?
完全に禁止する必要はありませんが、1日の総カロリーの10%以内に抑えることが重要です。おやつを与えた分だけフードの量を減らしてカロリー調整を行ってください。にんじん、きゅうりなど低カロリーの野菜をおやつ代わりにする方法もおすすめです。
Q. シニア犬でもダイエットフードは使える?
はい、シニア犬でも使用可能ですが、筋肉量の維持により一層の注意が必要です。高タンパク質のフードを選び、急激な減量は避けてください。必ず獣医師に相談してから始めることをおすすめします。
Q. 体重が思うように減らない場合は?
2週間体重に変化がない場合は、フード量を10~15%減らすか運動量を増やすことを検討してください。家族が隠れておやつを与えていないか、散歩中の拾い食いがないかも確認しましょう。それでも改善しない場合は甲状腺機能低下症などの病気の可能性もあるため、獣医師の診察を受けることをおすすめします。
まとめ
この記事のまとめ
・BCSチェックで愛犬の肥満度を正確に把握してからダイエットを開始する
・ダイエットフードは低カロリー(250~320kcal)・高タンパク(25%以上)・適度な繊維質が理想
・手軽に始めるならペロリコ ライト、本格減量なら獣医師に相談の上でヒルズ r/dやロイヤルカナン 満腹感サポート
・週に体重の1~2%ずつの減量ペースが健康的
・おやつは1日の総カロリーの10%以内に制限する
愛犬のダイエットは一朝一夕には成功しませんが、適切なフード選びと計画的な取り組みにより、必ず結果を出すことができます。何より大切なのは、愛犬の健康を最優先に考え、無理のないペースで進めることです。気になるフードがあればまず少量から試し、愛犬の食いつきと体調の変化を観察してみてください。不安な場合は、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。
