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猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)とは?症状・治療・費用

2026 6/05
PR
猫(ねこまめ)
2026/05/292026/06/05
猫のFIP(猫伝染性腹膜炎)とは?症状・治療・費用

愛猫が「FIP(猫伝染性腹膜炎)」と診断されたとき、多くの飼い主さんは頭が真っ白になると思います。かつては「不治の病」とも呼ばれていたFIPですが、近年は新しい治療薬の登場により、状況は大きく変わりつつあります。この記事では、FIPの基礎知識から症状の見分け方、最新の治療法、気になる費用までをねこまめ編集部がまとめました。「うちの猫がFIPかもしれない」「診断されたばかりでどうすればいいかわからない」という方に、少しでも役立つ情報をお届けします。

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目次

FIP(猫伝染性腹膜炎)とは?基本をおさえておこう

FIPとはどんな病気か

FIP(猫伝染性腹膜炎、Feline Infectious Peritonitis)は、猫コロナウイルス(FCoV)が変異して引き起こされる全身性の炎症性疾患です。猫コロナウイルス自体は非常に身近なウイルスで、多頭飼いや猫カフェ、シェルターなどで過ごす猫の多くが感染しています。しかし、このウイルスが体内で変異を起こし、白血球(マクロファージ)に侵入して全身に広がると、FIPへと発展します。

FIPはかつて「診断されたら余命わずか」とされていた難病でした。2019年ごろから抗ウイルス薬「GS-441524」を主成分とする治療薬が注目されはじめ、現在では完治を目指せる可能性が出てきています。ただし、まだ治療費が高額であること、国内では未承認薬が中心であること、など課題も多く残っています。

猫コロナウイルスとFIPの違い

猫コロナウイルス(FCoV)に感染しても、FIPを発症するのは感染猫の約5〜10%程度とされています(文献によって数値は異なります)。多くの猫は軽い消化器症状か無症状のまま自然に回復します。FIPへの変異がなぜ起きるのか、正確なメカニズムはまだ解明されていない部分もありますが、ウイルスの遺伝子変異と猫の免疫状態が複合的に関与していると考えられています。

補足・参考

猫コロナウイルスの感染率は、多頭飼い環境では80〜90%に達することもあるとされています(American Association of Feline Practitioners:AAPFガイドラインより)。感染しているからといって、必ずFIPになるわけではありません。

どんな猫がなりやすいか

FIPは特に以下のような猫で発症リスクが高いとされています。

・生後6ヶ月〜2歳の若い猫(特に1歳未満に多い)

・10歳以上のシニア猫

・多頭飼い・シェルター出身の猫

・ストレスを受けやすい環境にいる猫

・ラグドール・ベンガル・アビシニアンなど一部の猫種(遺伝的な感受性が指摘されている)

・去勢・避妊手術前後など免疫が一時的に変動している時期

若い猫に多いことが知られており、「子猫を迎えたばかり」という飼い主さんが注意すべき疾患のひとつです。

FIPの3つの病型を知っておこう

ウェットタイプ(滲出型)

ウェットタイプはFIPの中でもっとも進行が早い病型で、腹腔や胸腔に液体(滲出液)が貯まることが特徴です。お腹や胸が膨らんで見えたり、呼吸が苦しそうになったりする症状が現れます。黄色みがかった粘稠度の高い液体が貯まることが多く、この液体の性状はFIPの診断における重要な手がかりになります。ウェットタイプは数週間〜数ヶ月単位で急速に悪化するケースもあります。

ドライタイプ(非滲出型)

ドライタイプは液体の貯留が少なく、肉芽腫(グラニュローマ)が内臓に形成されるタイプです。腸・肝臓・腎臓・眼・脳・脊髄などさまざまな臓器に病変が生じます。神経症状(ふらつき・発作)や眼の異常(虹彩炎・ぶどう膜炎・眼底出血)が出ることもあります。ウェットタイプより進行が比較的ゆっくりで、数ヶ月にわたって症状が続くことがあります。

混合型(ミックスタイプ)

ウェットとドライの中間で、両方の特徴を持つケースです。液体の貯留がある程度あり、同時に肉芽腫も形成されることがあります。経過の中でドライタイプからウェットタイプへ、あるいはその逆へと移行することもあります。

病型 主な特徴 主な症状 進行速度
ウェットタイプ(滲出型) 腹腔・胸腔に液体貯留 腹部膨満・呼吸困難・元気消失 速い(数週〜数ヶ月)
ドライタイプ(非滲出型) 肉芽腫が内臓に形成 神経症状・眼の異常・体重減少 比較的遅い(数ヶ月)
混合型(ミックスタイプ) 両方の特徴が混在 上記症状が複合的に出現 症例により異なる

見逃したくないFIPの症状チェックリスト

初期によく見られる症状

FIPの初期症状は非特異的なものが多く、他の病気との区別が難しいのが現実です。以下のような症状が続く場合は、早めに動物病院に相談することが大切です。

・数日間以上続く発熱(39.5℃以上が続く)

・食欲の低下・体重減少

・元気がなくなる・活動量が減る

・毛並みが悪くなる

・軽い下痢・軟便

これらの症状は「ちょっと体調が悪いだけ」と見過ごされがちですが、特に若い猫で1週間以上続く発熱と食欲不振がある場合はFIPを含む精密検査を検討したいところです。

ウェットタイプで見られる症状

・お腹が風船のようにふくれる

・呼吸が速い・苦しそう・口を開けて呼吸する

・体を丸めてじっとしている

・黄疸(白目・歯茎が黄色くなる)

ドライタイプで見られる症状

・目が濁る・目が赤くなる・涙が多い(ぶどう膜炎・虹彩炎)

・ふらつく・うまく歩けない・転ぶ

・けいれん発作・首が傾く

・腸にしこりを触れることがある

・尿が出にくい・腎臓の腫れ

注意

FIPの症状は多岐にわたり、リンパ腫・感染症・腎臓病など他の病気と症状が重なることが多いです。「FIPかもしれない」と思っても、自己判断せず必ず動物病院での検査・診断を受けてください。

FIPの診断方法と検査について知っておきたい4つのこと

1. 血液検査・生化学検査

FIPの診断において、血液検査は非常に重要な第一歩です。特に注目されるのは以下の数値です。

・総タンパク(TP)の上昇: 高タンパク血症(8g/dL以上)

・A/G比(アルブミン/グロブリン比)の低下: 0.4以下はFIPを強く示唆

・リンパ球減少・好中球増加

・高ビリルビン血症(黄疸の指標)

・血清AGP(α1酸性糖タンパク)の上昇

これらの数値の組み合わせによって、FIPの可能性を評価します。ただし、血液検査だけで確定診断はできません。

2. 画像検査(超音波・X線)

腹部超音波検査では、腹水・胸水の貯留、腸・肝臓・腎臓・リンパ節の腫大、腸管の肥厚などを確認できます。ウェットタイプでは画像上で液体の存在が明確に分かることが多く、診断を後押しする重要な手がかりになります。

3. 滲出液の検査

ウェットタイプで液体が貯まっている場合、その液体を採取して検査します。黄色〜オレンジ色のゼリー状に近い粘稠な液体であることが多く、高タンパク・高細胞数を示します。Rivalta試験(簡易試験)で陽性を示すことも多く、スクリーニングとして活用されます。さらに液体中のコロナウイルスRNA(RT-PCR検査)が陽性であればFIPの可能性が高まります。

4. 確定診断(組織生検・免疫染色)

FIPの確定診断は、病変組織の生検と免疫組織化学染色(IHC)によって行われます。組織内にコロナウイルス抗原が確認されれば確定診断となります。ただし生検は侵襲性があるため、全ての猫に実施できるわけではなく、臨床症状・血液検査・画像・滲出液検査の総合判断で診断するケースが実際には多くなっています。

編集部の一言

FIPの診断は非常に複雑で、「コロナウイルス抗体価が高い=FIP」ではありません。抗体価の検査だけでは確定診断に至らず、あくまで総合的な判断が必要です。FIPを疑う症状があれば、できればFIPの診療経験が豊富な動物病院への相談が安心です。

FIPの治療方法と最新の状況

抗ウイルス薬GS-441524による治療

FIP治療の分野で最も注目されているのが、ヌクレオシドアナログ系抗ウイルス薬「GS-441524」です。これはもともと人医療のエボラウイルス治療薬として研究されていたレムデシビルの前駆物質にあたる成分で、FIPへの有効性が複数の臨床研究で報告されています。

UC Davis(カリフォルニア大学デービス校)のNiels Pedersen博士らの研究では、GS-441524による治療を受けた猫の多くで症状の改善が見られ、一定の割合で長期的な生存・回復が報告されました。投与期間は一般的に最低84日間(12週間)とされており、その後も経過観察が続きます。

国内で使える薬の現状

日本では2024年現在、GS-441524そのものは動物用医薬品として未承認です。ただし、GS-441524を主成分とするFIP治療薬として「Xraphconn(ゼラフコン)」が2023年に農林水産省に承認申請されるなど、状況は変化しています。実際の治療薬の使用可否・入手方法については、かかりつけの動物病院に必ずご確認ください。

また、同系統の薬として「GC376」(プロテアーゼ阻害薬)も研究・使用されており、病型や症状によって使い分けられることがあります。

対症療法・補助療法

抗ウイルス薬の治療中や治療前の状態安定のため、以下のような対症療法が行われます。

・腹水・胸水の穿刺吸引(呼吸困難の緩和)

・ステロイド(プレドニゾロン)による炎症コントロール

・輸液療法・栄養補給

・免疫サポートのためのサプリメント(ポリプレニルイムノスティミュラント等)

対症療法のみでは根本的なウイルスへのアプローチにならないため、抗ウイルス薬との併用が望ましいとされています。

治療の判断基準と「治療反応」の評価

治療開始後は、血液検査の数値の改善(A/G比の上昇・AGPの低下・リンパ球数の回復)と体重増加・食欲回復が回復の指標として重視されます。治療開始から数週間で食欲・元気が戻り、腹水が消える猫も多いと報告されています。ただし、治療を途中でやめると再燃するリスクがあるため、必ず規定の期間を継続することが重要です。

FIPの治療費用はどのくらいかかるか

治療費が高額になる理由

FIPの治療費が高額になる主な理由は、治療薬自体のコストが非常に高く、しかも84日以上の長期投与が必要だからです。薬の種類・投与経路(注射か経口か)・猫の体重・病型によって費用は大きく変わります。以下はあくまで目安の費用感です(2024年時点の報告例を参考にした概算)。

費用項目 概算(目安) 備考
初診・精密検査費用 3〜8万円 血液検査・超音波・滲出液検査等
抗ウイルス薬(84日分) 30〜100万円以上 体重・薬種・投与方法により大きく変動
通院・経過観察費用 月1〜3万円 血液検査・再診料など
対症療法費用 1〜10万円 腹水処置・ステロイド・輸液など
総計(目安) 50〜150万円以上 病型・体重・経過により異なる

費用を左右する主な要因

・猫の体重: 薬の用量は体重ベースで計算されるため、体重が重いほど薬代が高くなる

・病型・重症度: ドライタイプ(特に神経型)はウェットタイプより高用量が必要なことが多い

・投与経路: 注射薬より経口薬・皮下注射製剤の方が管理しやすく費用も変わることがある

・治療期間の延長: 反応が不十分な場合や再燃時に治療が延長されることがある

・かかる動物病院: 薬の仕入れ経路・調剤方法によって費用差がある

ペット保険の適用について

FIPの治療費とペット保険の関係は、現状では非常に注意が必要です。国内未承認薬を使用する場合、保険会社によっては補償対象外となるケースがあるためです。加入済みのペット保険がある場合は、治療開始前に保険会社への問い合わせを強くおすすめします。

また、FIPと診断された後に保険に加入しようとしても、既往症として補償対象外になる可能性が高いです。「まだ若いし健康だから保険は不要」と考えず、若いうちからペット保険を検討しておくことが、万が一のときの選択肢を広げることにつながります。

編集部の一言

「治療費が払えるかどうか」が、愛猫の命に関わる選択を迫られる状況は、飼い主さんにとって非常に辛いことです。FIPに限らず、高額治療に備えてペット保険や医療費の積み立てを早めに考えておくことが、結果的に猫にとっての選択肢を守ることにつながります。

猫の状態別・FIPへの対応の考え方

「FIPかもしれない」と感じたとき

若い猫(特に1歳未満)で発熱・食欲不振が1週間以上続く、お腹がふくれている、ふらつきがある、目が濁っているなどの症状がある場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。早期に診断・治療を開始することが、回復の可能性を高めることにつながります。

かかりつけ医でFIPが疑われた場合、FIPの治療経験が豊富な二次診療施設や大学附属動物病院へのセカンドオピニオンを検討することも選択肢のひとつです。

すでにFIPと診断された場合

診断直後は気持ちの整理が難しいと思いますが、まずは担当獣医師と治療方針についてしっかり話し合ってください。現在どのような薬が利用可能か、治療期間はどのくらいか、費用の見通しはどうか、を確認することが大切です。

治療を選択した場合は、投薬スケジュールを守ること・定期的な血液検査を欠かさないこと・食事管理でコンディションを整えることが、治療の質を維持するうえで重要です。

状況 対応のポイント 注意点
FIPを疑う症状がある 早期に動物病院を受診・精密検査 自己判断せず必ず専門家の診断を
FIPと診断された直後 治療方針・費用・期間を獣医師と確認 保険会社への確認も早めに行う
治療中 投薬継続・定期血液検査・食事管理 途中中断は再燃リスクがあるため厳禁
治療終了後(経過観察中) 定期検診・再燃兆候の早期発見 治療終了後も数ヶ月〜1年の観察を継続
多頭飼いで1頭が診断された 他の猫の健康観察・トイレ共有の見直し コロナウイルスは接触・糞便で広がりやすい

多頭飼い環境での注意点

FIPは猫から猫への直接感染はしないとされていますが、元になる猫コロナウイルスは糞便・接触を通じて他の猫に感染することがあります。多頭飼いの環境では、以下の点に気をつけることが大切です。

・トイレは頭数+1個以上を設置し、毎日清潔に保つ

・食器は個別で使い回しを避ける

・FIPを発症した猫が使っていた砂・用品の適切な処理

・他の猫の健康状態を定期的にチェックし、異変があれば早めに受診する

FIPと向き合うために飼い主さんが知っておきたい3つのこと

1. 「かつての不治の病」ではなくなりつつある

FIPは10年前まで、診断されたらほぼ短期間で命を落とす病気でした。しかし現在は、適切な治療薬と獣医師のサポートのもとで、回復・長期生存を目指せるケースが増えてきています。もちろん全ての猫に同じ結果が出るわけではありませんし、治療費の問題や薬の入手状況により選択肢が限られる場合もあります。しかし「FIP=必ず死」ではなくなっているという事実は、診断を受けた飼い主さんに知っておいてほしいことです。

2. 情報の取り扱いには注意が必要

FIPに関するSNSの情報・個人輸入薬・「格安で入手できる」という情報は非常に多く飛び交っています。しかし、成分・含有量・品質が担保されていない薬を使用することは、愛猫の安全を脅かすリスクがあります。必ず動物病院の指示のもとで、信頼できる薬を使用することが原則です。治療法に関する最終判断は、必ず獣医師と相談してください。

3. 飼い主さん自身のメンタルケアも大切

FIPと診断された愛猫を看病するのは、精神的にも体力的にも非常に消耗します。治療費の重さ、毎日の投薬管理、回復するかどうかの不安……。同じ状況を経験した飼い主さんのコミュニティ(オンラインのFIPサポートグループなど)に参加したり、獣医師に気持ちを話したりすることも、長期的な看護を続けるうえで助けになることがあります。一人で抱え込まないことが大切です。

編集部の一言

ねこまめ編集部にも、FIPの猫を看病した飼い主さんからの声が届きます。「治療を続けてよかった」という声も、「費用面で選択肢が限られてしまった」という声もあります。どんな選択をしたとしても、愛猫のことを真剣に考えた飼い主さんの選択に後悔はないはずです。まずは正しい情報を持つことが、最良の選択への第一歩です。

よくある質問

FIPの猫と一緒に暮らしている他の猫にもうつりますか?

FIP(猫伝染性腹膜炎)そのものは猫から猫へ直接伝染しないと考えられています。ただし、FIPの元になる猫コロナウイルス(FCoV)は、感染猫の糞便・鼻汁などを通じて他の猫に感染することがあります。多頭飼い環境では、トイレを清潔に保ち、食器の使い回しを避けるなど、コロナウイルスの感染拡大を抑える環境管理が大切です。他の猫に気になる症状が出た場合は、早めに動物病院を受診してください。

コロナウイルスの抗体価が高いと言われました。FIPですか?

猫コロナウイルス(FCoV)の抗体価が高いことは、コロナウイルスへの感染・暴露の証拠ですが、それだけでFIPの診断にはなりません。FIPの診断には、症状・血液検査(A/G比・AGP値など)・画像検査・滲出液の性状・必要に応じて組織検査などを総合的に判断する必要があります。抗体価が高いことを指摘された場合は、他の検査結果と合わせて獣医師に詳しく説明してもらうことが大切です。

FIPの治療は必ずしも行わなければなりませんか?

治療を行うかどうかは、猫の状態・飼い主さんの状況・費用面なども含めて、獣医師と相談しながら決める個人の判断です。治療を選択した場合でも、対症療法のみで猫のQOL(生活の質)を維持しながら経過を見るという選択肢もあります。いずれの場合も、獣医師から十分な説明を受けたうえで、ご自身と愛猫にとって最善の判断をしてください。治療を行わない選択が、愛猫を思いやった選択であることに変わりはありません。

FIPの治療薬はどこで手に入りますか?

FIP治療薬の入手方法は、国内の承認状況・動物病院の取り扱いによって異なります。2024年時点では、国内の動物病院を通じて入手できるルートも整備されつつありますが、取り扱いのある動物病院とそうでない病院があります。インターネット上では海外製品の個人購入を促す情報もありますが、成分・品質・用量の保証がないものもあるため、必ず動物病院に相談し、獣医師の指導のもとで使用することが大切です。

治療が終わったら完全に回復したと考えていいですか?

治療(一般的に84日以上)を終えても、しばらくの間は定期的な血液検査と経過観察が続きます。治療終了後に再燃(症状が再び現れること)するケースも報告されており、終了後も数ヶ月〜1年程度の定期検診が推奨されることが多いです。血液検査の数値が安定して正常範囲に戻り、一定期間再燃がなければ回復と判断されますが、具体的な期間・基準については担当獣医師の指示に従ってください。

FIPはどうすれば防げますか?

FIPそのものを確実に防ぐ方法は現在のところ確立されていません。ただし、元になる猫コロナウイルスの感染リスクを下げることは可能です。多頭飼い環境ではトイレを清潔に保つ・新入り猫を迎える際の隔離期間を設ける・過度なストレス環境を避けるなどの環境整備が、コロナウイルスの拡散を抑えるうえで役立つとされています。定期的な健康診断で早期の異変に気づく体制を整えておくことも、対処の早さにつながります。

ペット保険でFIPの治療費はカバーされますか?

ペット保険によるFIP治療費の補償については、保険会社・プランによって大きく異なります。国内未承認薬の使用費用は補償対象外とするケースがある一方、承認薬や診察費・検査費は補償されることもあります。FIPと診断された後の新規加入は既往症として補償対象外になる可能性が高いため、健康なうちに保険加入を検討し、加入中の保険会社には治療開始前に必ず補償範囲を確認することをおすすめします。

まとめ|FIPについて正しく知り、愛猫と向き合うために

この記事のまとめ

・FIP(猫伝染性腹膜炎)は猫コロナウイルスが変異して引き起こされる全身性の炎症性疾患

・ウェットタイプ(滲出型)・ドライタイプ(非滲出型)・混合型の3つの病型がある

・1歳未満の若い猫に多く、発熱・食欲不振・腹部膨満・神経症状などが主なサインとなる

・診断は血液検査・画像検査・滲出液検査・組織生検など複数の検査を総合して行われる

・抗ウイルス薬(GS-441524等)による治療で回復を目指せるケースが増えてきている

・治療費は50〜150万円以上かかることもあり、ペット保険の事前確認が非常に重要

・治療薬は必ず動物病院の指導のもとで使用し、信頼できる情報源で判断することが大切

・多頭飼い環境ではコロナウイルスの感染拡大を抑えるための環境管理が有効

FIPはかつて「診断=絶望」とされていた病気ですが、医療の進歩により状況は変わりつつあります。ねこまめ編集部として、この記事が「うちの猫がFIPかもしれない」「診断されてどうすればいいかわからない」と不安を抱える飼い主さんの、正しい情報への第一歩になることを願っています。

まずは動物病院に相談することが、愛猫にとって最善の選択肢を見つける出発点です。症状が気になるときは、一人で悩まず早めに専門家に相談してください。

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