犬の5種混合ワクチンとは?費用・種類・接種タイミングを2026年版で解説

愛犬を初めて迎えたとき、最初に悩むことのひとつが「混合ワクチンはどれを選べばいいのか」という問題ではないでしょうか。動物病院で「5種ですか? 8種ですか?」と聞かれても、違いがわからず戸惑った方も多いはずです。この記事では、犬の5種混合ワクチンについて、含まれる病気の種類・費用相場・接種タイミング・副反応のリスクを2026年最新版でわかりやすく整理しました。6種・8種との違いや、子犬の初回スケジュールについても具体的に解説します。
犬の5種混合ワクチンとは?基本を3つのポイントで理解
混合ワクチンは、複数の感染症に対する免疫を一度の接種でつけるためのものです。狂犬病ワクチンが法律で義務づけられているのに対し、混合ワクチンは飼い主の判断で接種する「任意接種」にあたります。まずは基本となる3つのポイントを押さえましょう。
ポイント1:複数の病気をまとめてカバーする任意接種
5種混合ワクチンは、犬がかかりやすい代表的な5つの感染症に対する免疫を一度につけるためのワクチンです。狂犬病ワクチンとは別物で、こちらは法的な接種義務はありませんが、命に関わる感染症を含むため多くの動物病院で推奨されています。
ポイント2:5種に含まれる感染症の中身
5種混合ワクチンに一般的に含まれるのは、犬ジステンパー、犬アデノウイルス1型(犬伝染性肝炎)、犬アデノウイルス2型(犬伝染性喉頭気管炎)、犬パラインフルエンザ、犬パルボウイルス感染症の5つです。いずれも重症化すると命に関わるおそれがあるため、コアワクチンと呼ばれる重要な感染症が中心となっています。
ポイント3:屋内飼育の小型犬にも基本的に推奨される
「室内飼いだから感染しないのでは」と考える方もいますが、ウイルスは散歩中の地面や他の犬との接触、人の靴底などからも持ち込まれます。マルプーやトイプードルなどの小型犬は体が小さいぶん重症化しやすい傾向があるため、屋内飼育でも基本的な感染症対策として接種が推奨されます。
補足・参考
混合ワクチンの種類数や含まれる感染症は、メーカーや動物病院によって若干異なります。実際に接種する前に、かかりつけの獣医師にどの病気がカバーされるか確認しておくと安心です。
5種混合ワクチンに含まれる5つの感染症を詳しく解説
どんな病気から守るためのワクチンなのかを知っておくと、接種の必要性が実感できます。ここでは5種それぞれの特徴を整理します。
犬ジステンパーウイルス感染症
発熱・目やに・鼻水から始まり、進行すると神経症状を引き起こすことがある感染症です。子犬や免疫力の弱い犬では死亡率が高く、回復後も後遺症が残る場合があります。
犬パルボウイルス感染症
激しい嘔吐や血便を伴い、短期間で脱水が進む非常に危険な感染症です。特に子犬では重症化のスピードが速く、命に関わるケースも少なくありません。環境中でも長く生存するウイルスのため、ワクチンによる備えが重視されます。
犬アデノウイルス1型・2型
1型は肝臓にダメージを与える犬伝染性肝炎、2型は咳などの呼吸器症状を起こす感染症です。2型は「ケンネルコフ」と呼ばれる呼吸器疾患の原因のひとつにもなります。
犬パラインフルエンザ
咳やくしゃみなどの呼吸器症状を起こすウイルスで、他の犬との接触で広がりやすい特徴があります。ドッグランやペットホテルなど、犬が集まる場所での感染リスクがあります。
| 感染症 | 主な症状 | 重症度の傾向 |
|---|---|---|
| 犬ジステンパー | 発熱・神経症状 | 高い(子犬で特に危険) |
| 犬パルボウイルス | 嘔吐・血便・脱水 | 非常に高い |
| 犬アデノウイルス1型 | 肝炎 | 高い |
| 犬アデノウイルス2型 | 咳・呼吸器症状 | 中程度 |
| 犬パラインフルエンザ | 咳・くしゃみ | 中程度 |
5種・6種・8種・10種の違いを比較
動物病院では5種以外にも複数の種類が用意されています。種類数が多いほど多くの病気をカバーできますが、その分が必ずしもすべての犬に必要というわけではありません。
種類数が増えるとカバーする病気が増える
6種以上になると、レプトスピラ症などが追加されるのが一般的です。レプトスピラ症は水辺や山などで感染リスクが高まる病気のため、生活環境によって必要性が変わります。
レプトスピラ症の有無が大きな分かれ目
5種と6種以上の主な違いは、レプトスピラ症をカバーするかどうかです。都市部の室内飼いであれば5種で十分なケースが多く、アウトドアや水辺によく行く犬は6種以上が候補になります。
| 種類 | 主なカバー範囲 | 向いている犬 |
|---|---|---|
| 5種 | コアな5感染症 | 都市部・室内飼いの小型犬 |
| 6種 | 5種+一部のレプトスピラ | やや活動範囲が広い犬 |
| 8種 | 6種+レプトスピラ複数型 | 山・川によく行く犬 |
| 10種 | 8種+追加のレプトスピラ型 | アウトドア・地方在住の犬 |
編集部の一言
いぬまめ編集部が動物病院に取材すると、「種類数が多い=良い」ではなく、生活環境に合わせて選ぶのが基本という声が多く聞かれました。迷ったら愛犬の散歩コースや外出頻度を獣医師に伝えるとよいでしょう。
5種混合ワクチンの費用相場を3つの視点で確認

混合ワクチンは自由診療のため、動物病院によって料金が異なります。おおよその目安を知っておくと、予算を立てやすくなります。
1回あたりの費用目安
5種混合ワクチンは1回あたりおおむね5,000〜8,000円程度が相場です。種類数が増えるほど費用も上がり、8種・10種では7,000〜1万円前後になることもあります。
子犬期は複数回の接種で総額が増える
子犬は1回では十分な免疫がつかないため、初年度は複数回の接種が必要です。初年度の総額は2〜3回分でおよそ1.5〜2.5万円程度を見込んでおくと安心です。
初診料・診察料が別途かかる場合がある
ワクチン代とは別に、初診料や健康チェックの診察料が加算される病院もあります。料金を比較するときは、ワクチン単価だけでなく総額で確認しましょう。
| 項目 | 費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 5種混合(1回) | 5,000〜8,000円 | 病院により差あり |
| 6〜8種(1回) | 7,000〜10,000円 | 種類が多いほど高め |
| 子犬初年度総額 | 15,000〜25,000円 | 2〜3回接種 |
| 診察料 | 0〜2,000円 | 病院により別途 |
接種タイミングを年齢別に解説(パピー/成犬/シニア)
ワクチンの効果を十分に得るには、適切なタイミングで接種することが重要です。年齢によって必要な回数や間隔が異なります。
パピー(子犬):生後6〜16週で複数回
子犬は母犬からもらった移行抗体が残っているため、1回の接種では免疫が安定しません。一般的に生後6〜8週で1回目、その後2〜4週間隔で合計2〜3回を接種します。最終接種は生後16週齢以降が目安です。
成犬:年1回または数年に1回
初年度の接種が完了したあとは、年1回または抗体検査の結果に応じて数年に1回の追加接種が行われます。近年は抗体価を測定して接種頻度を判断する方法も広がっています。
シニア犬:体調を見ながら継続を検討
高齢犬では体への負担を考慮し、獣医師と相談しながら接種の継続や抗体検査による判断を行います。持病がある場合は無理のない範囲で計画を立てましょう。
| 年齢区分 | 接種回数の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| パピー(子犬) | 初年度2〜3回 | 移行抗体を考慮し複数回 |
| 成犬 | 年1回〜数年に1回 | 抗体検査も選択肢 |
| シニア犬 | 体調により判断 | 獣医師と相談 |
注意
子犬の最終接種が終わるまでは、十分な免疫がついていません。散歩デビューやドッグランの利用は、獣医師に確認してから始めましょう。早すぎる外出は感染リスクを高めるおそれがあります。
接種前後に気をつけたい4つのこと
ワクチンは犬の体に免疫反応を起こすため、接種前後の体調管理が大切です。トラブルを避けるために知っておきたいポイントを整理します。
体調が良い日に接種する
下痢や食欲不振など、少しでも体調に不安があるときは接種を見送るのが基本です。健康なときに接種することで、副反応のリスクを抑えられます。
接種後は安静に過ごす
接種後はその日のシャンプーや激しい運動を控え、安静に過ごしましょう。万が一の副反応に備え、接種は午前中の受診がおすすめです。
アレルギー反応のサインを見逃さない
顔の腫れ・じんましん・嘔吐・ぐったりするなどの症状が出た場合は、すぐに動物病院へ連絡しましょう。まれに重いアレルギー反応が起こることがあります。
狂犬病ワクチンやフィラリア予防との間隔を調整する
狂犬病ワクチンや他の予防処置と時期が重ならないよう、スケジュールを調整します。各種予防の組み合わせ方は獣医師と相談して計画的に進めましょう。
混合ワクチンと一緒に考えたい他の予防

犬の健康管理は混合ワクチンだけで完結するものではありません。狂犬病ワクチンやフィラリア予防など、年間を通じた計画が必要です。
狂犬病ワクチンは法的義務
狂犬病ワクチンは生後91日以降の犬に法律で接種が義務づけられています。混合ワクチンとは別に必ず接種する必要があります。詳しくは狂犬病ワクチン費用・時期ガイドをご覧ください。
フィラリア予防は春から秋が中心
蚊が媒介するフィラリア(犬糸状虫)の予防も重要な健康管理のひとつです。地域によって時期が異なるため、フィラリア予防完全ガイドで詳しく確認しておきましょう。
年間スケジュールで管理する
混合ワクチン・狂犬病・フィラリア・ノミダニ対策を年間スケジュールにまとめると抜け漏れを防げます。全体像は犬のワクチン接種スケジュール完全解説で整理しています。
よくある質問
5種混合ワクチンと狂犬病ワクチンは同じ日に打てますか?
基本的には間隔をあけて接種するのが一般的です。同日接種は体への負担が大きくなる可能性があるため、通常は1週間以上空けて行います。スケジュールは必ず獣医師と相談して決めましょう。
室内飼いの小型犬でも5種混合ワクチンは必要ですか?
室内飼いでもウイルスは散歩中の地面や人の靴底などから持ち込まれます。マルプーやトイプードルなどの小型犬は重症化しやすい傾向があるため、基本的な感染症対策として接種が推奨されます。
5種と8種ではどちらを選べばいいですか?
主な違いはレプトスピラ症をカバーするかどうかです。都市部の室内飼いであれば5種で十分なケースが多く、山や川によく行く犬は6種以上が候補になります。愛犬の生活環境を獣医師に伝えて選ぶとよいでしょう。
ワクチン接種後はいつから散歩できますか?
子犬の場合は最終接種が終わり、免疫が安定してからが目安です。接種当日は安静に過ごし、散歩デビューやドッグランの利用時期は獣医師に確認してから始めましょう。
混合ワクチンは毎年打たないといけませんか?
従来は年1回が一般的でしたが、近年は抗体価を測定して接種頻度を判断する方法も広がっています。愛犬の年齢や体調に応じて、獣医師と相談しながら計画を立てるとよいでしょう。
接種後に元気がないのですが大丈夫ですか?
接種後に一時的にだるそうにすることはありますが、顔の腫れ・じんましん・嘔吐・強い元気消失などが見られる場合は副反応の可能性があります。気になる症状があればすぐに動物病院へ連絡してください。
まとめ|5種混合ワクチンを正しく理解して愛犬を守ろう
5種混合ワクチンは、犬がかかりやすい命に関わる感染症から愛犬を守るための任意接種です。室内飼いの小型犬でも基本的な対策として推奨されており、費用やタイミングを正しく理解しておくことが大切です。種類数は多ければよいというものではなく、生活環境に合わせて選ぶのが基本です。狂犬病ワクチンやフィラリア予防と合わせて、年間スケジュールで計画的に管理しましょう。
この記事のまとめ
・5種混合ワクチンは命に関わる5つの感染症をカバーする任意接種
・費用は1回5,000〜8,000円、子犬初年度総額は1.5〜2.5万円が目安
・子犬は生後6〜16週で複数回、成犬は年1回〜数年に1回が目安
・5種と6種以上の違いはレプトスピラ症の有無、生活環境で選ぶ
・狂犬病・フィラリア予防と合わせて年間スケジュールで管理する



