マルチーズの涙やけ対策|原因の整理とフード選びの確認ポイント

マルチーズの涙やけ(流涙症に伴う被毛の着色)に気づいたとき、「毎日の食事でなんとかしてあげたい」と考える飼い主さんもいるのではないでしょうか。
まず押さえておきたい結論として、食事の見直しが関わるのは、涙やけの原因が食事アレルギーに該当する場合に限られます。涙やけには先天的・構造的な要因や、眼自体のトラブルが関わっていることもあり、食事の変更だけで状態が変わるとは言い切れません。
この記事では、マルチーズの涙やけを考えるうえで知っておきたい原因の整理、食事の見直しよりも先に動物病院へ相談すべきサイン、フード選びで確認したい基本項目、そして日頃のお手入れのポイントを順を追って解説します。
マルチーズの涙やけの原因を知る4つの視点

犬の流涙症では、目の下が湿ったり、目の周りの毛が赤茶色に着色したり、皮膚への刺激やにおいが生じたりすることがあります。特にマルチーズのように白い被毛を持つ犬種では、着色が目立ちやすい特徴があります。
涙やけの背景にはいくつかの要因が考えられるため、食事だけに原因を絞り込まず、多角的に状態を観察することが大切です。
1. 食事やアレルゲンによる影響
食べ物や環境中のアレルゲンに対するアレルギー反応によって眼に痒みや炎症が起こると、結膜炎などを経て流涙症につながることがあります。原因が食事アレルギーである場合には、食事の変更によって涙やけの様子が変わる可能性も考えられます。花粉やハウスダストなど環境的な原因の場合は食事の変更の対象ではなく、動物病院での相談が必要です。ただし、すべての涙やけが食事やアレルギーに起因するわけではありません。
2. 鼻涙管の狭窄や閉塞
マルチーズやプードルなどの犬種では、先天的に鼻涙管の狭窄や閉塞が多く見られる傾向があり、遺伝的な素因が関わっているといわれています。痛みを伴わない流涙症は、こうした先天的・構造的な問題に起因しているケースが少なくありません。個別の原因を特定するためには、動物病院での診察が必要です。
3. まつ毛や目の周りの毛による刺激
睫毛の生え方の異常(異所性睫毛など)は、涙が増える要因の一つとして知られています。また、目や鼻の周りに毛が多い犬では、伸びた毛が目の表面を刺激することがあります。毛による刺激が気になる場合は、無理に自己処理をせず、獣医師やトリマーに相談するのが安心です。
4. 結膜炎や角膜の傷などの眼疾患
涙があふれる背景には、結膜の炎症や角膜の傷、目に異物が入ったことによるトラブルなど、眼の病気が隠れていることもあります。結膜の見た目だけで飼い主さんが原因を特定することは難しいため、気になる症状が見られる際は専門的な検査を受ける必要があります。
食事の前に動物病院へ相談したい3つのサイン
涙やけを見つけたとき、フードの切り替えを急ぐ前に、まずは眼科的な異常がないか確認することが重要です。以下のサインが見られる場合は、食事の見直しよりも先に動物病院を受診してください。
1. 黄色くドロッとした膿性の目やにが出ている
涙嚢の炎症や鼻涙管のトラブルなどで細菌感染を起こしている場合、黄色くドロッとした膿性の目やにが認められることがあります。感染が疑われる場合は、獣医師による診察と適切な処置が優先されます。
2. 痛みや違和感を示す様子がある
痛そうに眼をシバシバさせている、まぶしそうに細める、前足で目をこする、白目が赤くなっている、目の周りに赤みや腫れが見られるといった様子は、眼に痛みや強い刺激が生じているサインです。放置すると重大な眼の病気につながることもあるため、早めの受診が勧められます。
3. 最近急に涙やけが目立ってきた
これまで問題がなかったにもかかわらず、最近になって急に涙の量が増えたり、目の周りの変色が始まったりした場合は、目の問題が原因のこともあります。様子見を長引かせず、動物病院へ相談しましょう。
注意
目やにの色がいつもと違う場合や、痛がる仕草が見られるときは、自己判断でフードを変更するのではなく、原因にかかわらず食事の見直しより先に動物病院へご相談ください。
食事を見直す前に確認したい3つのポイント
動物病院で眼の病気などの心配がないと確認でき、日々の食事のコンディションを整えたいと考えた場合、フード選びで事前に確かめておくべき基本事項が3つあります。
1. 主食には「総合栄養食」を選び、対象の成長段階を確認する
毎日の主要な食事として与えるフードには、必ず「総合栄養食」と表示されたものを選びましょう。総合栄養食は、そのフードと水だけで指定された成長段階の健康を維持できるよう栄養バランスが設計されています。
「一般食」や「副食」は、一日に必要な栄養を満たすために別途栄養補給が必要とされる区分で、主食代わりにすると栄養が不足・偏るおそれがあります。購入前には必ずパッケージを見て、総合栄養食の表記と、愛犬の月齢・年齢に合った成長段階が指定されているかを確認してください。
2. 食事アレルギーが疑われる場合は動物病院で相談する
犬の食物アレルギーの診断は、獣医師の管理下で厳密な除去食試験を行うことが基準とされています。除去食は過去に与えた原材料を避けて慎重に選定する必要があり、試験期間中はおやつなど他の食品由来のものを一切与えない管理が求められます。
飼い主さんの自己判断でアレルゲンを決めつけてフードを選ぶのではなく、これまでに与えてきた食材の履歴やパッケージの原材料表示を記録し、かかりつけの動物病院で相談しながら進めることが確実です。
3. フードの切り替えは少しずつ進める
食べ慣れていない新しいフードへ急に切り替えると、吐いてしまったり下痢をしたりと、消化器に負担がかかることがあります。
移行する際は、従来のフードに新しいフードを少量ずつ混ぜ、約1週間ほどかけて徐々に新しいフードの割合を増やしていく方法が公的なガイドライン等でも推奨されています。各製品の案内も確認し、体調に不安がある場合は獣医師へ相談しながら進めましょう。
検討できるフードの仕様と確認ポイント
公式資料で仕様を確認できた商品を、2026年10月の確認時点の情報として整理します。涙やけへの働きが確認された商品ではありません。
このこのごはん(小型犬向け)
公式ショップの表記では国産ドッグフードで、主原料は基本的に国内産、パパイヤとモリンガは海外産と説明されています。小型犬の健康維持をサポートする総合栄養食として案内されています。
公式の説明では、人も食べることのできるささみ、鹿肉、まぐろ、さつまいもなどの原材料を使っているとされています。
対象の成長段階について、公式ショップでは子犬からシニア犬まで与えられる旨が案内されています。幼犬や噛む力が弱くなった高齢犬には、水かぬるま湯でふやかして与えることが案内されています。パッケージ上の対応成長段階の表示は購入前に確認してください。
給与量はパッケージに体重別の目安が記載されており、愛犬の体質や運動量、便の状態を見ながら調整して与える仕様となっています。
なお、メーカーの販売ページでは「目元のキレイを維持したい」犬におすすめの選択肢として挙げられていますが、これは販売上の案内です。
補足・参考
食事アレルギーが疑われるケースでは、原材料の確認が不可欠です。購入を検討する際は、原材料一覧をメモして事前に動物病院で相談することをおすすめします。
毎日のお手入れで気をつけたい4つのこと

涙による被毛の着色対策として様々なお手入れ方法が知られていますが、必ずしもすべての子に有効と証明されている手段があるわけではありません。しかし、目の周りを清潔に保つことは、皮膚への刺激や汚れのこびりつきを軽減するうえで役立つことがあります。
1. 汚れは定期的に優しく拭き取る
涙や目やにを放置すると、毛にこびりついて取れにくくなり、固まったものを無理に引っ張ると皮膚にダメージを与えてしまうことがあります。
汚れがついている場合は、ぬるま湯で湿らせたコットンなどで優しくふやかしてから拭き取ってあげましょう。その際、コットンが直接愛犬の目に入らないよう十分注意し、皮膚を強くこすらないことが大切です。
2. 目の周りは清潔で乾いた状態を保つ
湿った汚れを取り除いたあとは、目の周りが過度に濡れたままにならないよう、清潔で乾いた状態を保つことが役立つことがあるとされています。普段から愛犬の顔周りをよく観察し、こまめに優しくケアしてあげましょう。
3. 目の周りの毛を短く整える
目の周りの毛が伸びて眼球に触れやすい状態になっている場合、毛を短く整えることが役立つことがあるとされています。ただし、顔周りでハサミを扱うのが怖い場合や愛犬が動いてしまう場合は無理をせず、トリミングサロンに依頼するのが安全です。
4. お手入れ用品は獣医師に相談してから使用する
市販のアイケアローションやシートを使用する際は、犬の目の周り用として作られていないものは絶対に使用しないでください。また、デリケートな目元に使う製品は、あらかじめかかりつけの獣医師に相談し、安全性を確認してから取り入れるのが安心です。
編集部の一言
症状が強い場合や、1〜2日たっても様子が変わらない場合、少しでも目を気にする仕草が見られるときは、お手入れだけで解決しようとせず早めに動物病院を受診してください。
マルチーズの涙やけに関するよくある質問
- マルチーズの涙やけはドッグフードを変えれば良くなりますか?
- 涙やけの原因が「食事アレルギー」である場合には、食事の見直しによって状態が変わる可能性があります。しかし、マルチーズは鼻涙管の狭窄や閉塞が多い犬種とされ、ほかの原因のこともあります。個体の原因は診察で確かめる必要があるため、まず動物病院で相談してください。
- マルチーズはなぜ他の犬種より涙やけが目立ちやすいのですか?
- マルチーズは先天的に鼻涙管の狭窄や閉塞が起きやすい犬種とされており、遺伝的な要因も指摘されています。加えて、被毛が純白であるため、あふれ出た涙による着色が視覚的に非常に目立ちやすいという特徴があります。
- どのような症状があったら動物病院に行くべきですか?
- 黄色くドロッとした膿性の目やにが出ている場合、痛そうに目をシバシバさせている場合、白目が赤い場合、前足で目をこする仕草がある場合などは、速やかに受診してください。また、最近になって急に涙の量が増えた場合も相談をおすすめします。
- 新しいフードに切り替えるときはどうすればいいですか?
- これまでのフードに新しいフードを少しずつ混ぜながら、約1週間ほどかけて徐々に移行するのが一般的な目安です。急激に食事を変えてしまうと、下痢や嘔吐など胃腸トラブルの原因になることがあります。
- 「このこのごはん」は涙やけ用のフードですか?
- 公式ショップでは小型犬向けの総合栄養食として販売されており、涙やけへの働きが確認されたフードではありません。販売上の案内として「目元のキレイを維持したい」犬向けに紹介されていますが、アレルギー等が気になる場合は事前に全原材料を確認し、獣医師へご相談ください。
- 目元を拭くときに人間用のウェットティッシュを使ってもいいですか?
- 犬の目の周り専用として作られていないシートやワイプは使用を避けてください。目元の汚れを拭き取る際は、ぬるま湯で湿らせた清潔なコットンなどを使い、優しくふやかして取り除くようにしましょう。
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まとめ|マルチーズの涙やけ対策で大切なこと
この記事のまとめ
・食事の変更が関わるのは、原因が食事アレルギーである場合に限られます
・膿性の目やにや痛みを示す仕草があるときは、食事変更より先に動物病院を受診してください
・フードは総合栄養食と対象成長段階を確認して選び、目元のお手入れは清潔を意識して優しく行いましょう



