猫の寿命表2026年版|品種別・年齢換算・室内外別の平均寿命データ完全まとめ

「うちの子はあと何年一緒にいられるんだろう」——愛猫を撫でながら、ふとそんなことを考えたことはありませんか。猫の平均寿命は年々延びており、20歳を超える長寿猫も珍しくなくなりました。一方で、室内飼いか外に出るか、品種は何か、去勢・避妊をしているかといった条件によって、寿命には大きな差が生まれることも分かっています。
この記事では、2026年時点で公開されている最新の統計データをもとに、猫の平均寿命を品種別・年齢換算・飼育環境別に整理しました。数字を知ることは、不安をあおるためではなく、今この瞬間からできるケアを見つけるためです。年齢換算表や品種別データ、多頭飼いのご家庭で気をつけたい点まで、ねこまめ編集部が実際の観察例を交えてまとめました。
猫の平均寿命2026年版|最新データが示す3つの事実
まずは全体像から見ていきましょう。国内のペット関連調査機関やペット保険会社が公表しているデータを総合すると、猫の平均寿命はここ20年で明らかな上昇傾向にあります。
事実1|猫全体の平均寿命は15.8歳前後
近年の統計では、猫全体の平均寿命はおおむね15.6〜16.0歳の範囲に収まっています。1990年代には10歳前後だったことを考えると、約1.5倍に延びた計算です。この背景には、総合栄養食の品質向上、動物医療の進歩、そして何よりも室内飼いの普及があります。
ただし「平均」という数字は、若くして亡くなる子と20年以上生きる子を平らにならした値です。実際の分布を見ると、10歳未満で亡くなるケースと、18歳以上まで生きるケースの両方が一定数存在します。
事実2|室内飼いと外出自由で約4〜5歳の差
もっとも大きな差を生む要因が飼育環境です。完全室内飼いの猫は平均16.3歳前後、外に出る猫は13.8歳前後という調査結果が繰り返し報告されています。交通事故、猫同士のけんかによる感染症、寄生虫、有害物質の誤飲など、屋外にはリスクが集中しています。
事実3|去勢・避妊済みの猫のほうが長生きの傾向
去勢・避妊手術を受けた猫は、未手術の猫と比べて平均寿命が長い傾向にあることが複数の調査で示されています。生殖器関連の疾患リスクが下がることに加え、発情に伴う脱走や争いが減ることが要因と考えられます。
| 区分 | 平均寿命の目安 | 主な要因 |
|---|---|---|
| 猫全体 | 約15.8歳 | 医療・栄養の向上 |
| 完全室内飼い | 約16.3歳 | 事故・感染症リスクが低い |
| 外出あり | 約13.8歳 | 事故・けんか・感染症 |
| 去勢・避妊済み | 約16.5歳 | 生殖器疾患リスク低下 |
| 未去勢・未避妊 | 約14.0歳 | 脱走・争いが増える |
補足・参考
数値は一般社団法人ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」および国内ペット保険各社の公表データをもとにした目安です。調査年・母数によって前後するため、あくまで参考値としてご覧ください。
猫の年齢を人間に換算する|早見表と2つの計算ルール
「うちの子は8歳だけど、人間でいうと何歳?」という疑問は、多くの飼い主さんが持つものです。猫の成長速度は人間と大きく異なり、特に最初の2年間で一気に大人になります。
ルール1|1年目で人間の18歳、2年目で24歳
生後1年で猫はほぼ成猫の体格に達します。この時点で人間の18歳前後に相当し、2歳になると24歳ほど。つまり最初の2年で人間の24年分を駆け抜ける計算になります。子猫期の成長がいかに急激かが分かります。
ルール2|3歳以降は1年で4歳ずつ加算
3歳以降はペースが落ち着き、猫の1年が人間の約4年に相当するとされます。この計算式を使うと、10歳の猫は人間の56歳、15歳の猫は76歳、20歳の猫は96歳ということになります。
| 猫の年齢 | 人間換算 | ライフステージ |
|---|---|---|
| 2か月 | 2歳 | 子猫期 |
| 6か月 | 10歳 | 子猫期後半 |
| 1歳 | 18歳 | 成猫期入口 |
| 2歳 | 24歳 | 成猫期 |
| 3歳 | 28歳 | 成猫期 |
| 5歳 | 36歳 | 成猫期 |
| 7歳 | 44歳 | 中年期(シニア入口) |
| 10歳 | 56歳 | シニア期 |
| 12歳 | 64歳 | シニア期 |
| 15歳 | 76歳 | ハイシニア期 |
| 18歳 | 88歳 | ハイシニア期 |
| 20歳 | 96歳 | 超高齢期 |
| 22歳 | 104歳 | 超高齢期 |
編集部の一言
この換算表を見て「7歳でもう44歳か」と驚く方は多いです。実際、7歳を過ぎたら健康診断を年1回から年2回に切り替える動物病院が増えています。見た目が若々しくても、体の中は着実に年を重ねています。
品種別の平均寿命ランキング|長寿傾向の5品種
猫は犬ほど品種による寿命差が大きくありませんが、それでも遺伝的な疾患傾向によって多少の違いが見られます。ここでは国内外の統計をもとに、比較的長寿とされる品種を紹介します。
1位|雑種(ミックス)|約16〜17歳
意外に思われるかもしれませんが、統計上もっとも長寿傾向にあるのは雑種です。遺伝的多様性が高く、特定の遺伝性疾患が集中しにくいことが理由と考えられています。日本の家庭で飼われている猫の大半は雑種であり、この点は多くの飼い主さんにとって心強いデータです。
2位|シャム|約15〜16歳
細身でしなやかな体型を持つシャムは、長寿品種として知られています。活発でよく動く性質が体重管理に役立っている面もあります。ただし呼吸器系や心臓のトラブルが報告されることもあり、定期的な聴診は欠かせません。
3位|アメリカンショートヘア|約15歳
丈夫な骨格と安定した性質で人気の品種です。比較的健康的とされますが、肥大型心筋症の素因を持つ個体が知られており、心臓のチェックが推奨されます。また食欲旺盛で太りやすい傾向があるため、体重管理が寿命を左右する品種でもあります。
4位|ロシアンブルー|約14〜15歳
おとなしく神経質な面がありますが、遺伝性疾患の報告が比較的少ない品種です。ストレスに敏感なため、多頭飼いの環境では隠れられる場所を確保してあげることが大切です。
5位|ノルウェージャンフォレストキャット|約14歳
大型で成長がゆっくりな品種です。体格が大きいぶん関節への負担がかかりやすく、シニア期以降は段差の配慮が必要になります。
| 品種 | 平均寿命の目安 | 気をつけたい傾向 |
|---|---|---|
| 雑種(ミックス) | 約16〜17歳 | 特になし(体重管理) |
| シャム | 約15〜16歳 | 呼吸器・心臓 |
| アメリカンショートヘア | 約15歳 | 肥大型心筋症・肥満 |
| ロシアンブルー | 約14〜15歳 | ストレス感受性 |
| ノルウェージャンフォレストキャット | 約14歳 | 関節・心臓 |
| メインクーン | 約12〜13歳 | 肥大型心筋症・股関節 |
| スコティッシュフォールド | 約12〜13歳 | 骨軟骨異形成 |
| ペルシャ | 約12〜14歳 | 多発性嚢胞腎・呼吸器 |
| マンチカン | 約11〜13歳 | 椎間板・関節 |
| ベンガル | 約13〜15歳 | 網膜・心臓 |
注意
品種別の平均寿命はあくまで統計的な傾向であり、個体差のほうがはるかに大きく影響します。「短命とされる品種だから」と諦める必要はまったくありませんし、逆に「長寿品種だから安心」ということもありません。日々の観察と定期健診が何より大切です。
飼育環境別の寿命差|室内飼い・外出あり・地域猫の比較
品種以上に寿命へ影響するのが、どのような環境で暮らしているかです。ここでは3つの環境を比較します。
完全室内飼い|平均16.3歳前後
もっとも長寿が期待できる飼育形態です。交通事故、他の動物との接触による感染症、農薬や不凍液などの有害物質、極端な暑さ寒さ——これらのリスクをまとめて回避できます。
一方で、運動不足と刺激不足による肥満・ストレスという別の課題が生まれます。キャットタワーや上下運動のできる導線、窓辺の日向ぼっこスペース、1日数回の遊び時間を確保することで、室内飼いのデメリットは十分に補えるとされています。
外出あり(半外飼い)|平均13.8歳前後
「外に出たがるから」という理由で自由に出入りさせているご家庭もありますが、統計上は約2.5歳分の寿命差が生じています。特に若い猫では交通事故が、成猫以降では猫免疫不全ウイルス感染症や猫白血病ウイルス感染症といった、けんかを介して広がる感染症のリスクが問題になります。
地域猫・野良猫|平均3〜5歳
屋外で自活する猫の平均寿命は、家庭猫と比べて大きく短くなります。食事の不安定さ、寒暖差、感染症、事故など、複数のリスクが重なるためです。ただし継続的に給餌と医療が提供されている地域猫では、これより長く生きるケースも報告されています。
| 飼育環境 | 平均寿命 | 主なリスク | 対策のポイント |
|---|---|---|---|
| 完全室内飼い | 約16.3歳 | 肥満・運動不足・ストレス | 上下運動・遊び時間確保 |
| ベランダ・庭のみ | 約15歳 | 転落・脱走 | ネット設置・監視下で |
| 外出あり | 約13.8歳 | 事故・感染症・けんか | ワクチン・室内化の検討 |
| 地域猫 | 約3〜5歳 | 栄養不足・寒暖差・事故 | TNR・継続的な給餌 |
ライフステージ別に見る健康ケア|4段階の目安

猫の一生は大きく4つのステージに分けられます。それぞれで気をつけるポイントが変わります。
子猫期(0〜1歳)|成長を支える栄養と社会化
体重が急激に増える時期です。子猫用の総合栄養食を与え、1日3〜4回に分けて給餌します。ワクチン接種、駆虫、去勢・避妊手術の計画を立てるのもこの時期です。人や物音、キャリーバッグなどに慣れさせておくと、その後の通院ストレスが大きく減ります。
成猫期(1〜6歳)|体重管理と歯のケア
もっとも安定した時期ですが、油断すると体重が増えていきます。理想体重を把握し、月に一度は測る習慣をつけましょう。また、この時期から歯周トラブルが始まる猫が多いため、歯みがきやデンタルケアの習慣づけを始めるのに適したタイミングです。
シニア期(7〜13歳)|年2回の健康診断へ
人間でいえば44歳から64歳にあたります。腎臓、甲状腺、心臓、関節など、変化が現れやすい部位が増えてきます。血液検査に加えて尿検査や血圧測定を組み合わせると、体調の変化に早く気づけます。
ハイシニア期(14歳〜)|生活環境の見直し
ジャンプ力が落ち、トイレのふちをまたぎにくくなる子が増えます。トイレの縁を低くする、段差にステップを置く、水飲み場を複数に増やすなど、環境側を調整してあげることが快適さにつながります。
| ステージ | 年齢 | 健診頻度の目安 | 重点ケア |
|---|---|---|---|
| 子猫期 | 0〜1歳 | ワクチン時+随時 | 成長期の栄養・社会化 |
| 成猫期 | 1〜6歳 | 年1回 | 体重管理・歯のケア |
| シニア期 | 7〜13歳 | 年2回 | 腎臓・甲状腺・関節 |
| ハイシニア期 | 14歳〜 | 年2〜4回 | 環境調整・食欲維持 |
編集部の一言
実際に観察すると、シニア期に入った猫は「寝ている時間が長くなった」ではなく「起きているときの動きが少し鈍い」という形で変化が現れることが多いです。高いところへのジャンプをためらう仕草は、関節の違和感を示すサインかもしれません。
寿命に影響する6つの要因|今日から見直せること
統計データを踏まえて、飼い主さんが実際にコントロールできる要因を整理します。
要因1|適正体重の維持
肥満は関節、心臓、糖代謝など多方面に負担をかけます。理想体重の120%を超えると肥満とされ、猫の場合わずか1kgの増加でも人間換算では10kg以上に相当する負担です。肋骨がうっすら触れる程度が目安とされています。
要因2|総合栄養食を基本にした食事
おやつや一般食(副食)だけでは必要な栄養素が満たせません。AAFCOの基準を満たした総合栄養食を主食とし、おやつは1日のカロリーの10%以内に抑えるのが基本です。年齢に合ったフードを選ぶことも大切です。
要因3|十分な水分摂取
猫はもともと水をあまり飲まない動物です。水飲み場を家の複数箇所に設置する、循環式の給水器を試す、ウェットフードを取り入れるなど、水分を摂りやすい環境づくりが泌尿器の健康維持をサポートします。
要因4|定期的な健康診断
猫は不調を隠す動物です。食欲があって元気に見えても、血液検査で初めて分かる変化があります。特に7歳以降は年2回の健診が推奨されています。
要因5|ストレスの少ない環境
多頭飼いの場合、トイレは頭数+1個、食器と水飲み場は個体ごとに分ける、隠れられる場所を複数用意する——これらは基本ですが、実践できていないご家庭も少なくありません。慢性的なストレスは食欲や免疫のコンディションに影響します。
要因6|口腔ケアの習慣
3歳以上の猫の多くが何らかの歯周トラブルを抱えているとされます。口の中の炎症は全身のコンディションにも関わるため、歯みがきシートやデンタルケア用のフードを取り入れるとよいでしょう。
| 要因 | 具体的な行動 | 始めやすさ |
|---|---|---|
| 体重管理 | 月1回の体重測定 | ★★★ |
| 食事 | 総合栄養食を主食に | ★★★ |
| 水分 | 水飲み場を3か所以上に | ★★★ |
| 健康診断 | 7歳以降は年2回 | ★★ |
| ストレス対策 | トイレを頭数+1個に | ★★ |
| 口腔ケア | 週2〜3回の歯みがき | ★ |
症状別に見る年齢別の注意サイン|4つのチェックポイント
年齢によって現れやすい変化は異なります。ここでは症状別に整理します。
飲水量と尿量の変化(7歳以降に注意)
「最近よく水を飲む」「トイレ砂の塊が大きくなった」という変化は、シニア期の猫でよく見られるサインです。水飲みボウルの減り方や、トイレ砂の消費ペースを普段から把握しておくと、変化に気づきやすくなります。
体重の緩やかな減少(10歳以降に注意)
食欲は変わらないのに体重が落ちていく、というパターンは見落とされやすい変化です。月1回の体重測定を習慣にしておくと、半年で300g減っているといった緩やかな傾向を捉えられます。
毛づやとグルーミングの変化(全年齢)
毛がぱさついてきた、背中や腰まわりの毛が固まっている——これはグルーミングが行き届いていないサインです。関節の違和感で体をひねりにくくなっているか、口の中に不快感があるか、体調全般が優れないかのいずれかが考えられます。
鳴き方と行動の変化(14歳以降に注意)
夜中に大きな声で鳴く、部屋の隅でじっとしている、トイレ以外の場所で排泄するといった行動は、ハイシニア期に見られることがあります。認知機能の変化や、感覚器の衰えが関わっている場合があります。
注意
ここに挙げたサインはあくまで観察の手がかりです。自己判断で様子見を続けるのではなく、気になる変化があれば早めに動物病院で相談してください。特に「24時間以上まったく食べない」「呼吸が速い・苦しそう」「排尿の姿勢を取るのに尿が出ない」場合は緊急性が高い状態です。
多頭飼いで寿命を守る5つの工夫
複数の猫と暮らすご家庭では、個体ごとの管理が難しくなりがちです。ここでは実践しやすい工夫を紹介します。
工夫1|食器を完全に分けて食事量を把握する
同じ場所で一斉に食べさせると、誰がどれだけ食べたか分かりません。部屋を分ける、時間をずらす、マイクロチップ対応の自動給餌器を使うなど、個体別の食事量を把握できる仕組みを作りましょう。
工夫2|トイレは頭数+1個を基本に
3匹なら4個が理想です。トイレが足りないと排泄を我慢する子が出て、泌尿器のコンディションに影響します。設置場所も分散させるのがポイントです。
工夫3|体重測定を全頭分カレンダー化する
多頭飼いでは「なんとなく痩せた気がする」という感覚が当てになりません。月初に全頭の体重を測ってメモしておくと、数値で変化を追えるようになります。
工夫4|垂直方向のスペースを確保する
猫は平面よりも立体的な空間で縄張りを分ける動物です。キャットタワーや棚を活用して高低差をつくると、頭数が多くても互いに距離を保ちやすくなります。
工夫5|新入り猫は必ず段階的に導入する
いきなり対面させると、既存の猫に強いストレスがかかります。最低でも2週間は別室で隔離し、においの交換から始めて徐々に距離を縮めていく手順が推奨されます。感染症の潜伏期間を考慮する意味でも隔離期間は重要です。
| 頭数 | トイレ数 | 水飲み場 | 隠れ場所 |
|---|---|---|---|
| 1匹 | 2個 | 2か所 | 2か所 |
| 2匹 | 3個 | 3か所 | 3か所 |
| 3匹 | 4個 | 4か所 | 4か所以上 |
| 4匹以上 | 頭数+1個 | 頭数+1か所 | 頭数以上 |
長生きしている猫に共通する3つの生活パターン

18歳以上まで元気に過ごしている猫の飼い主さんに共通する習慣を、編集部が集めた事例から整理しました。
パターン1|毎日決まった時間のルーティンがある
食事、遊び、就寝の時間がおおむね一定しているご家庭が多く見られます。猫は変化を嫌う動物なので、予測可能な生活リズムはストレスの少なさにつながります。
パターン2|体重と食欲を数値で記録している
長寿猫の飼い主さんの多くが、なんらかの形で記録をつけています。スマートフォンのメモでも紙のカレンダーでも構いません。記録があると獣医師との相談も具体的になります。
パターン3|「いつもと違う」で受診をためらわない
「大したことないかもしれないけど」と前置きしつつ受診する飼い主さんは、結果的に早い段階で変化を捉えています。猫は痛みや不調を隠す性質が強いため、飼い主さんの違和感は貴重な情報です。
編集部の一言
20歳を超えた猫の飼い主さんに話を聞くと、特別なサプリメントや高級フードよりも「毎日ちゃんと見ていた」という言葉が多く返ってきます。日々の観察こそがもっとも身近な健康管理なのかもしれません。
寿命が延びた背景にある4つの変化
なぜ猫の寿命はここまで延びたのでしょうか。要因を4つに整理します。
変化1|総合栄養食の普及と品質向上
かつては人間の残り物や、猫まんまと呼ばれる食事が一般的でした。現在はAAFCOの栄養基準を満たした総合栄養食が主流となり、必要な栄養素をバランスよく摂れる環境が整いました。特にタウリンの重要性が明らかになったことは、心臓のコンディション維持に大きく寄与したとされています。
変化2|室内飼いの一般化
1990年代には外に出す飼い方が多数派でしたが、現在は完全室内飼いが主流です。この転換が事故や感染症のリスクを大きく下げました。
変化3|動物医療の進歩
血液検査項目の充実、超音波診断装置の普及、シニア猫向けの療法食の開発など、獣医療の水準が上がりました。腎機能の変化を早期に捉えるマーカーが実用化されたことも大きな進歩です。
変化4|ペット保険の普及による受診ハードルの低下
治療費への不安から受診をためらうケースが減り、早期に相談できる環境が広がりました。ペット保険の加入率は年々上昇しており、これも間接的に寿命の延伸に関わっていると考えられます。
| 年代 | 平均寿命の目安 | 主なトピック |
|---|---|---|
| 1990年代 | 約10歳 | 外飼い中心・栄養知識が限定的 |
| 2000年代 | 約12〜13歳 | 総合栄養食の普及 |
| 2010年代 | 約14〜15歳 | 室内飼いの一般化 |
| 2020年代 | 約15.8歳 | シニア医療・保険の普及 |
年齢別に見直したいフードの選び方|3ステージ
寿命に直結する要素として、食事は最も影響の大きい項目のひとつです。年齢ごとの選び方を整理します。
子猫用(0〜12か月)|高タンパク・高カロリー
成長期の猫は成猫の2〜3倍のエネルギーを必要とします。子猫用と明記された総合栄養食を選び、粒の大きさも小さめのものを選ぶと食べやすくなります。
成猫用(1〜6歳)|適正カロリーと動物性タンパク質
この時期は肥満との戦いです。運動量に対してカロリーが過剰にならないよう、パッケージの給与量を目安に調整します。猫は肉食動物なので、第一原材料に動物性タンパク源が来ているフードが基本の目安になります。
シニア用(7歳〜)|消化性とリン・ナトリウムの配慮
加齢とともに消化吸収の効率が落ちるため、消化しやすい設計のフードが向いています。また腎臓への配慮からリンやナトリウムの含有量に注目する飼い主さんも増えています。ただし持病がある場合は、必ず獣医師に相談したうえで療法食を選んでください。
| ステージ | タンパク質目安 | 選ぶ際の着目点 |
|---|---|---|
| 子猫用 | 35%以上 | 高カロリー・小粒 |
| 成猫用 | 30〜35% | 適正カロリー・動物性原料 |
| シニア用 | 30〜35% | 消化性・リン量・粒の柔らかさ |
| ハイシニア | 個体により調整 | 嗜好性・食べやすさ優先 |
補足・参考
「シニア用は低タンパクにすべき」という考え方は近年見直されています。健康な高齢猫では、筋肉量の維持のためにむしろ良質なタンパク質が必要とされる傾向です。ただし腎臓に不安がある場合は個別の判断が必要なため、かかりつけの獣医師にご相談ください。
よくある質問
- 猫の寿命って最長で何歳くらいですか?
- ギネス世界記録に認定された最高齢の猫は38歳でしたが、これは極めて例外的な記録です。国内では20〜25歳まで生きる猫が一定数報告されており、22歳前後が現実的な長寿ラインといえます。完全室内飼いで定期健診を受けている猫では、20歳到達も決して珍しくなくなってきました。
- オスとメスで寿命に差はありますか?
- 統計上はメスのほうがやや長寿の傾向があり、その差はおおむね0.5〜1歳程度とされています。ただし去勢・避妊の有無による差のほうが大きく、性別そのものの影響は限定的です。未去勢のオスは発情期の脱走やけんかのリスクが高く、これが平均を押し下げている面があります。
- 保護猫は寿命が短いって本当ですか?
- 保護された時点での健康状態や年齢によりますが、家庭に迎えられて適切なケアを受ければ、一般的な家庭猫と大きな差はないとされています。むしろ雑種であることが多いため、遺伝的な疾患リスクは低い傾向です。迎え入れ時にウイルス検査と健康診断を受けておくと安心です。
- 7歳から健康診断を年2回にする理由は何ですか?
- 猫の7歳は人間の44歳に相当し、体の変化が現れ始める時期だからです。猫の1年は人間の約4年に相当するため、年1回の健診は人間でいえば4年に1回のペースになります。年2回であれば人間の2年に1回程度となり、変化を捉えやすくなります。
- 室内飼いだと猫はストレスを感じませんか?
- 環境が単調だとストレスにつながる可能性はありますが、工夫次第で十分に補えます。キャットタワーでの上下運動、窓辺の外が見えるスペース、1日2回5〜10分ずつの遊び、隠れられる場所の確保——これらを整えることで、屋外と同等かそれ以上に充実した環境をつくれます。統計上も室内飼いのほうが長寿傾向です。
- 高齢猫がごはんを食べなくなったらどうすればいいですか?
- まずは24時間以上まったく食べていないかを確認してください。猫の絶食は肝臓に負担がかかるため、丸1日食べない場合は動物病院への相談が必要です。少し食べる程度であれば、フードを人肌に温めて香りを立てる、ウェットフードに切り替える、器の高さを上げるといった工夫を試してみてください。口の中の不快感が原因のこともあります。
- 多頭飼いは1匹飼いより寿命が短くなりますか?
- 適切に管理されていれば、多頭飼いが寿命を縮めるということはありません。むしろ猫同士の関係が良好であれば、遊び相手ができることで運動量が増えるメリットもあります。ただしトイレ数の不足、食事量の把握困難、相性の悪さによる慢性ストレスといった問題が起きると影響が出るため、環境設計が重要になります。
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まとめ|数字を知り、今日からできることを積み重ねる
猫の平均寿命は約15.8歳。この数字は、飼育環境や日々のケアによって大きく前後します。品種別のデータや年齢換算表は、愛猫の今の状態を客観的に把握するための道具です。
大切なのは、統計に一喜一憂することではなく、今日から変えられる部分に目を向けること。水飲み場をひとつ増やす、月1回体重を測る、7歳を過ぎたら健診を年2回にする——こうした小さな積み重ねが、結果として長い時間を一緒に過ごすことにつながります。
この記事のまとめ
・猫全体の平均寿命は約15.8歳、完全室内飼いでは約16.3歳と長い傾向
・年齢換算は「1年目=18歳、2年目=24歳、以降は1年で+4歳」が目安
・品種別では雑種が約16〜17歳と最も長寿傾向、品種差より個体差が大きい
・寿命に影響する主な要因は体重管理・食事・水分・健診・ストレス・口腔ケアの6つ
・7歳(人間の44歳相当)から健康診断を年2回に切り替えるのが推奨
・多頭飼いはトイレを頭数+1個、食器を分けて個体別に管理することが基本
・長寿猫の飼い主に共通するのは「毎日の観察」と「記録」と「早めの受診」
愛猫との時間は有限ですが、その質は飼い主さんの手で高めていけます。今日の水飲み場チェックから、始めてみませんか。



