猫の5種混合ワクチン2026年版|何を予防するのか・3種との違い・費用と接種スケジュール

愛猫のワクチン接種を検討するとき、「3種混合と5種混合、どちらを選べばいいの?」と迷う飼い主さんは少なくありません。動物病院で「うちの子は室内飼いだけど5種まで必要?」と質問された経験がある方もいるでしょう。混合ワクチンは種類によってカバーする感染症が異なり、猫の生活環境や多頭飼いかどうかで選び方が変わってきます。この記事では、ねこまめ編集部が5種混合ワクチンで何に備えられるのか、3種との違い、2026年版の費用相場や接種スケジュールまで、落ち着いて整理して解説します。
猫の混合ワクチンとは|基本の役割を整理
混合ワクチンとは、複数の感染症に対する備えをひとつの注射でまとめて行えるワクチンのことです。猫が生活するうえで接触リスクのある代表的なウイルス・細菌に対し、あらかじめ体に「免疫の記憶」を作っておくことを目的としています。
猫のワクチンには、すべての猫に接種が推奨される「コアワクチン」と、生活環境に応じて検討する「ノンコアワクチン」があります。混合ワクチンはこの両方を組み合わせた製品として、3種・4種・5種などのバリエーションで提供されています。
ワクチンで備えられるのは「感染後の重症化リスク」
ワクチンは感染そのものを100%防ぐものではなく、感染した場合の重症化リスクを下げ、健康維持をサポートする役割を担います。特に子猫や免疫力が低下したシニア猫では、感染症が命に関わることもあるため、計画的な接種が大切です。
補足・参考
世界小動物獣医師会(WSAVA)のワクチネーションガイドラインでは、猫のコアワクチンとして猫汎白血球減少症・猫ウイルス性鼻気管炎・猫カリシウイルス感染症の3種が挙げられています。5種はこれにノンコアの感染症を加えた構成です。
室内飼いでもワクチンを検討する理由
「完全室内飼いだから感染しない」と考える方もいますが、飼い主の衣類や靴に付着したウイルスを介して室内に持ち込まれるケースもあります。特に猫汎白血球減少症の原因ウイルスは環境中で長く生存するため、外出しない猫でも油断はできません。多頭飼いの家庭では、1頭が感染すると他の猫へ広がるリスクも高まります。
5種混合ワクチンが備える5つの感染症
5種混合ワクチンは、コアワクチンの3種にノンコアの2種を加えた構成が一般的です。ここでは、それぞれの感染症の特徴を整理します。
1. 猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)
白血球が著しく減少し、激しい嘔吐や下痢を引き起こす感染症です。特に子猫では致死率が高いとされ、コアワクチンの中でも最重要とされています。原因ウイルスは環境中で数か月以上生存するため、室内飼いでも備えておきたい感染症です。
2. 猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)
くしゃみ・鼻水・発熱・結膜炎など、いわゆる「猫風邪」の代表的な原因のひとつです。一度感染すると体内にウイルスが潜伏し、ストレスや免疫低下で再び症状が出ることもあります。多頭飼いや保護猫の受け入れ時には特に気をつけたい感染症です。
3. 猫カリシウイルス感染症
こちらも猫風邪の主要な原因で、口内炎や舌の潰瘍を伴うことがあります。食欲不振の原因になりやすく、子猫では重症化することもあります。鼻気管炎とあわせてコアワクチンに含まれます。
4. 猫クラミジア感染症
クラミジアという細菌による感染症で、結膜炎や目やに、くしゃみなどが主な症状です。特に子猫や多頭飼いの環境で広がりやすい傾向があります。5種混合ではこのクラミジアが4種目として加わります。
5. 猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
猫白血病ウイルスは、感染猫との接触(グルーミングや咬傷、食器の共有など)を通じて広がります。免疫機能に影響を与え、貧血やリンパ腫などを引き起こすことがあります。外に出る猫や多頭飼いの家庭では特に接種を検討したいノンコアワクチンです。
編集部の一言
5種の構成は製品によって多少異なる場合があります。クラミジアを含まず、代わりに別の型を加えた5種も存在するため、接種前に動物病院で「何がカバーされるか」を確認しておくと安心です。
3種・4種・5種混合ワクチンの違い比較
混合ワクチンは種類が多く、どれを選べばよいか迷いやすいポイントです。ここでは代表的な3種・4種・5種の違いを整理します。
| 種類 | カバーする感染症 | 主な対象猫 |
|---|---|---|
| 3種混合 | 汎白血球減少症・鼻気管炎・カリシウイルス | 完全室内飼い・単頭飼い |
| 4種混合 | 3種+猫白血病ウイルス | 室内飼いだが外猫と接触の可能性あり |
| 5種混合 | 4種+クラミジア | 多頭飼い・外出あり・保護猫受け入れ |
3種混合はコアワクチンをカバーする基本タイプ
3種混合は、すべての猫に推奨されるコアワクチンを網羅したベーシックな選択肢です。完全室内飼いで他の猫との接触がほとんどない環境であれば、まず3種が基本となります。
4種混合は猫白血病を加えたタイプ
4種は3種に猫白血病ウイルスを加えたものです。ベランダに出る、脱走の可能性がある、外猫と接触するかもしれないといった環境では、4種以上が検討対象になります。
5種混合は多頭飼い・外猫接触に備えるタイプ
5種はクラミジアも含めた最も広い範囲をカバーします。多頭飼いや保護猫の受け入れが多い家庭、キャットショーへの参加など、他の猫と接する機会が多い場合に向いています。
注意
種類が多ければよいというわけではありません。ノンコアワクチンは猫の生活環境に応じて必要性を判断するものです。不要な感染症まで一律に接種するのではなく、獣医師と相談して愛猫に合った選択をすることが大切です。
ワクチン選びで確認したい4つのポイント

どのワクチンを選ぶかは、猫の年齢・生活環境・体質によって変わります。接種前に確認しておきたいポイントを整理します。
1. 生活環境(室内飼いか外出があるか)
完全室内飼いなら3種が基本、外に出る機会があれば4種・5種を検討します。ベランダやマンションの共用部への出入りがある場合も、他の猫との間接的な接触を考慮しましょう。
2. 多頭飼いかどうか
多頭飼いでは1頭の感染が他の猫に広がりやすいため、クラミジアや猫白血病も含む5種が検討対象になります。新しく猫を迎える際は、先住猫とのウイルス共有リスクにも配慮が必要です。
3. 猫白血病ウイルスの検査状況
猫白血病ワクチンを接種する前には、すでに感染していないか血液検査で確認することが推奨されます。感染済みの猫にワクチンを打っても意味がないためです。保護猫や過去の状況が不明な猫では、検査を優先しましょう。
4. 過去のワクチンでの体調変化
過去にワクチン接種後にアレルギー反応や体調不良が出たことがある場合は、その情報を必ず獣医師に伝えましょう。種類の変更や接種前後のケアで対応できることがあります。
5種混合ワクチンの費用相場(2026年版)
ワクチンの費用は動物病院や地域によって幅がありますが、おおよその目安を種類別に整理しました。診察料が別途かかる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。
| ワクチンの種類 | 費用の目安(1回あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| 3種混合 | 約3,000〜5,000円 | コアワクチン中心 |
| 4種混合 | 約4,000〜6,000円 | 猫白血病を含む |
| 5種混合 | 約5,000〜7,500円 | クラミジアを含む |
初診料・検査費用も見込んでおく
初めて通う動物病院では、ワクチン費用に加えて初診料や健康診断料がかかることがあります。猫白血病を含むワクチンを接種する場合は、事前の血液検査費用(数千円程度)も見込んでおきましょう。
ワクチンはペット保険の対象外
予防を目的とするワクチン接種は、多くのペット保険で補償の対象外となっています。ワクチンは全額自己負担が基本と考えておくとよいでしょう。一方、ワクチン接種証明書はペットホテルやトリミングサロン利用時に求められることが多いため、証明書は大切に保管しておきましょう。
編集部の一言
複数の動物病院の料金を比べると、同じ5種でも1,000円以上差が出ることがあります。ただし、価格だけでなく接種前の問診や体調確認が丁寧かどうかも選ぶ基準にしたいところです。
接種スケジュールの目安(子猫・成猫)
ワクチンは適切なタイミングで接種することで、免疫の記憶をしっかり作ることができます。子猫と成猫でスケジュールが異なります。
子猫の初年度スケジュール
子猫は母猫からの移行抗体が残っている間はワクチンの反応が得られにくいため、複数回に分けて接種します。一般的には生後6〜8週齢で1回目、その後3〜4週間隔で2〜3回接種するのが目安です。
| 時期 | 接種回数 | ポイント |
|---|---|---|
| 生後6〜8週 | 1回目 | 移行抗体が減り始める頃 |
| 生後9〜12週 | 2回目 | 1回目から3〜4週間隔 |
| 生後14〜16週 | 3回目 | 16週齢以降での接種が推奨 |
| 1歳前後 | 追加接種 | 初年度の免疫を確実にする |
成猫の追加接種の考え方
初年度接種を終えた後は、1年後に追加接種を行い、以降は1〜3年ごとの接種が一般的です。近年は猫の負担を減らす観点から、コアワクチンは3年ごと、ノンコアワクチンは毎年といった考え方も広がっています。愛猫の生活環境に応じて、獣医師と接種間隔を相談しましょう。
補足・参考
ワクチンの接種間隔は製品や病院の方針、猫の抗体価によって異なります。抗体価検査を行い、必要な場合のみ接種する方針をとる病院もあります。一律に決めず、かかりつけ医の判断を大切にしましょう。
接種後に気をつけたい3つのこと

ワクチン接種後は、猫の体に一時的な変化が現れることがあります。当日から翌日にかけて、いくつかのポイントに気をつけて様子を見守りましょう。
1. 接種当日は安静に過ごす
接種当日は激しい運動や入浴を避け、静かに過ごせる環境を整えましょう。多頭飼いの場合は、接種した猫が落ち着いて休めるスペースを用意すると安心です。
2. アレルギー反応のサインに注意
まれに、接種後数分〜数時間でアレルギー反応が出ることがあります。顔のむくみ、繰り返す嘔吐、ぐったりする、呼吸が苦しそうといった様子が見られたら、すぐに動物病院へ連絡しましょう。そのため、午前中や病院が開いている時間帯の接種が推奨されます。
3. 接種部位のしこりを観察する
接種部位に一時的なしこりができることがあります。多くは自然に消えていきますが、数週間以上残る、大きくなる、痛がるといった場合は動物病院で相談しましょう。接種のたびに部位を記録しておくと、変化に気づきやすくなります。
注意
接種後に食欲不振や軽い発熱が見られることがありますが、多くは1〜2日で落ち着きます。ただし、症状が長引く、明らかに様子がおかしいと感じた場合は自己判断せず、獣医師に相談してください。
ライフステージ別・ワクチンとの向き合い方
猫の年齢によって、ワクチンとの付き合い方には少しずつ違いがあります。ライフステージ別に確認しておきましょう。
子猫期(〜1歳)
免疫が未発達な子猫期は、初年度のワクチンプログラムをしっかり完了することが最も大切な時期です。新しく迎えたばかりの子猫は環境の変化でストレスを受けやすいため、体調が落ち着いてから接種を進めます。
成猫期(1〜7歳)
体調が安定している成猫期は、生活環境に応じた追加接種を計画的に行います。多頭飼いや外出の有無を踏まえ、必要なワクチンの種類を見直す機会にもなります。
シニア期(7歳〜)
シニア期は免疫力や内臓機能が変化しやすいため、接種前の健康チェックが特に重要になります。持病がある場合は、ワクチンの種類や接種の可否を獣医師とよく相談しましょう。ワクチン接種のタイミングを健康診断とあわせて行うと、体調を総合的に確認できます。
よくある質問
- 完全室内飼いでも5種混合ワクチンは必要ですか?
- 完全室内飼いで他の猫との接触がまったくない場合は、コアワクチンをカバーする3種が基本となることが多いです。5種はクラミジアや猫白血病といったノンコアを含むため、多頭飼いや外出の可能性がある猫で検討します。ご自宅の環境をもとに、獣医師と相談して選ぶことをおすすめします。
- 3種と5種、どちらを選べばいいですか?
- 生活環境が判断の目安になります。完全室内飼い・単頭飼いなら3種、多頭飼い・保護猫の受け入れが多い・外に出る機会があるなら5種が検討対象です。種類が多ければよいわけではなく、愛猫の暮らしに合った選択が大切です。
- ワクチン費用はペット保険で補償されますか?
- 予防を目的とするワクチン接種は、多くのペット保険で補償の対象外です。基本的に全額自己負担と考えておきましょう。一方で接種証明書はペットホテルやトリミング利用時に必要になることが多いため、大切に保管してください。
- ワクチンは毎年打たないといけませんか?
- 近年は猫の負担軽減の観点から、コアワクチンは3年ごと、ノンコアは毎年といった考え方も広がっています。抗体価検査を行い、必要な場合のみ接種する方針の病院もあります。一律ではないため、かかりつけ医と接種間隔を相談しましょう。
- 子猫のワクチンはいつから始めればいいですか?
- 一般的には生後6〜8週齢で1回目を接種し、その後3〜4週間隔で2〜3回接種します。母猫からの移行抗体の影響を考慮し、16週齢以降での接種も推奨されます。迎えたばかりで体調が不安定なときは、落ち着いてから始めるとよいでしょう。
- 猫白血病ワクチンを打つ前に検査は必要ですか?
- 猫白血病ワクチンを接種する前には、すでに感染していないか血液検査で確認することが推奨されます。感染済みの猫に接種しても意味がないためです。特に保護猫や過去の状況が不明な猫では、検査を優先することをおすすめします。
- 接種後にしこりができたのですが大丈夫ですか?
- 接種部位に一時的なしこりができることは珍しくなく、多くは自然に消えていきます。ただし、数週間以上残る、大きくなる、痛がるといった場合は動物病院で相談してください。接種のたびに部位を記録しておくと変化に気づきやすくなります。
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まとめ|愛猫の暮らしに合ったワクチン選びを
5種混合ワクチンは、コアワクチンの3種にクラミジアと猫白血病を加え、より広い範囲の感染症に備えるタイプです。多頭飼いや外出の可能性がある猫にとっては心強い選択肢となりますが、完全室内飼いで単頭飼いなら3種が基本となることもあります。大切なのは種類の多さではなく、愛猫の生活環境に合った選択をすることです。
この記事のまとめ
・5種混合は3種(コア)+クラミジア+猫白血病の構成が一般的
・完全室内飼い・単頭飼いは3種、多頭飼い・外出ありは5種が検討対象
・5種の費用目安は1回約5,000〜7,500円で、ペット保険は対象外
・子猫は複数回、成猫は1〜3年ごとの接種が目安
・接種後はアレルギー反応やしこりに注意し、体調変化を見守る
ワクチンの種類・間隔・接種の可否は、猫の年齢や体質、生活環境によって最適解が変わります。この記事の内容を参考にしつつ、最終的にはかかりつけの獣医師とよく相談し、愛猫にとって無理のない接種計画を立てていきましょう。日頃から愛猫の体調を観察し、小さな変化に気づける関係を築いておくことが、健康維持の第一歩です。



